五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

調べてたら脱線してた(5)油津港編

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日南線の空襲被害を探してる途中、他に興味深いのが出て来た。

一応は鉄道絡みだけど忘備録レベル。

精々、出て来るのは油津駅志布志駅で、今回は油津港(と言いながら油津港の写真が無いので駅写真を貼る)。

 

 

諦めが悪く、国立国会図書館デジタルコレクションで、「駅名を入れて検索したら、攻撃を受けた駅名が出て来ねぇか?」と検索してた。

と言うのも、“Aburatsu”や“Tonoura”で検索しても、「その語句が戦闘詳報の中に含まれていると出て来る」事に気付いたので。

で、油津や志布志で出て来たのが…

【OP-16-FE 72-45, July 1945, information on port of Aburatsu. Report】

【OP-16-FE 79-45, July 1945, information on port of Shibushi. Report】

未だ、考えられうる地名で検索し尽くしてはいないので、他にも出て来るかも知れないけど、取り敢えず出て来た油津と志布志の話。

 

夫々、1945年の7月に…配布されたのかな?

恐らく、攻撃する予定の各港と周辺資料で、その中に鉄道関連が記載されてる。

以下の二つが国立国会図書館デジタルコレクションへのリンク。

油津港編

dl.ndl.go.jp

志布志港

dl.ndl.go.jp

夫々4枚目に日本,韓国,満州,中国の地名が載ってて、志布志港編の方が記載地名が多く、レポートの番号も新しい。

使われている写真は、1945年の1,3月撮影とあるけど、恐らくは上空偵察の分だよな?

今回は出て来ないけど、漁船とか湾の写真は流石に戦前の?

その他の情報は1940年…らしいので、1945年とは異なる情報も有る筈。

で、コレが、いつ、何処で、誰に~等、どう使われたのかは判らない。

先ず、添付の地図が2枚

※2枚共に国立国会図書館デジタルコレクションより

 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4010009

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同じ様な地図だけど、油津と外之浦の距離感が一枚に収まらないから、2枚に分かれてるのでしょう。

 

油津編の17枚目(P.10)

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国立国会図書館デジタルコレクションより https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4010009

TRANSPORTATION AND COMMUNICATION の項目1個目 RAILROADS に油津周辺の鉄道状況が書かれている。

この辺はツイートもしたけど、原文も合わせて書き出すと…あ、スペル間違いしまくるだろうけど。

 

ココからは、調べてたら脱線してた(4)で出て来たAMS地図を、別ウィンドウで開いとくと良いかも。

地図はテキサス大学オースティン校さんのライブラリー

legacy.lib.utexas.edu

上記リンクを開いた九州地図の東岸、【4341-Ⅰ】“ ◦ Aburatsu”が含まれる四角部分。

その中で、海岸線中央辺りに“Aburatsu”。

社会科で習う日本地図で言う『私鉄のゲジゲジ線』が狭軌

ゲジゲジの互い違い』がナローゲージ等。

こうして見ると、油津港がそこそこ良港なのが判る。

油津港が目標にされたのは、大堂津は揚陸してから川が展開の邪魔で、戸之浦は港湾規模が小さいと判断されたのかな?よく判らないけどその辺は、~脱線してた(7)とか(8)辺りで(やるのか?)。

本文に戻り、 冒頭は油津線について。

 

A single track,narrow gauge,railload known as the Abratsu line trends northwest from Abratsu 3.25miles where it branches.

油津線は、油津駅から北西3.25マイル(5.2km)にて分岐するナローゲージ路線。

Wikipediaによると、宮崎県営鉄道にて開業時は特殊狭軌線(=軌間762mm)とか出てる。

資料の情報は最終更新が1940年の筈。

改軌が1941年だそうなので、食い違いは仕方ないでしょう(僕の翻訳間違いも仕方ないよ)。

さっきの地図も、狭軌ナローゲージが描き分けられてるまま(各自で確認してね)。

 

One branch turns west and terminates at Obi;the other,a logging line,continues north 5 miles,passing through Matsnaga and Gonohara where it turns west,and continues via Sakamoto and Hirasa to a dead end about the middle of the peninsula.

一方は西に曲がり飫肥で終点。

もう一方の森林鉄道は北へ約5マイル続き、マツナガとゴノハラを通って西に曲がり、サカモトとヒラサを経由して半島の真ん中で行き止まり。

マツナガ=松永。

ゴノハラ or ゴウノハラ=郷之原ですね。

AMS地図は郷之原手前で【4342-Ⅱ】へ切り替え。

で、この線“LOGGING RAILWAY”=森林鉄道と表記されてて、地図の【4341-Ⅰ】は狭軌だったのが、【4342-Ⅱ】へ移るとナローゲージに変わる。

誤記かな?兎も角ググる

【宮崎県の森林鉄道廃線跡探訪紀行】他が出て来る。

リンクも貼っとく。

geo.d51498.com

此方の、【はじめに/宮崎県森林鉄道路線図】のページに、現在の日南線と確認された森林鉄道路線図が載っている。

飫肥と言えば?」って時、「城下町」「小京都」とか出て来るけど、飫肥杉も有名。

それ用の森林鉄道が有って当然か。

普通(?)の鉄道として、油津~北郷の開通は1941年。

工事に関しては、ゼロから敷設したのか?ってのが出て来ない。

森林鉄道用のナロー/簡易レールを改軌したとか?

森林鉄道路線図?を見ると、何本かが北郷に集合している。

その集合地点から川での水運も考えられるし、鉄路の可能性も…有るよな?

この辺は今後の宿題っぽい…その宿題はいつやるんだ?だけど。

  

そう言えば北郷駅で降りた時に、こんな風に思ったんだった。

で、写真撮った時、何か違和感が有った。

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北郷駅の串間/志布志方面外側の側線?待避線?て、「幅が狭くね?」って思ったんだった。

あ、あの本では?…確認したけど特に記載なし。

単に目の錯覚かもしれないけど…何か、写真で見ても軌間が狭い気がする。

【あの本】てのは

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国鉄全国各駅停車❿ 九州720駅 ※右は違います。

 

サカモトとヒラサを経由して半島の真ん中で行き止まり。

半島の~の意味が判らない。

サカモト=坂元

ヒラサ=平佐でしょう。

AMS地図で広渡川沿いに進む森林鉄道をを辿ると、途中で分岐して一方は“Itatani”で終点。

もう一方の分岐は…亀の河内川…何て読むんだ?

その川沿いに進んで、“Otsuka”を抜け、“Kuwaki-tsuru”って辺り迄続いてる。

コレ…Googleマップで広渡川を辿ると、県道33号[都城北郷線]と川を挟んだ反対側に、県道432号から伸びた道路が有る様に表示される。

この道路が、その森林鉄道の廃線跡じゃね?

 

僕が宮崎県の森林鉄道研究家なら、一度、このアメリカ軍地図を参考にしてみますわ(既に使ってはるかも)。

 

脱線が続くな…本文と言うか、英語に戻る。

 

TO the south of Abratsu the Osumi line,a single track,standard gauge railload connects with Odotsu and Meitsu,where it turns west and south following the coast from Fukushima to Shibushi,finally connecting with Furue on the west coast,about three miles west of Shibushi.

油津から南側には大隅線。

単線、標準軌大堂津、目井津と繋ぎ、福島から志布志まで海岸沿いに西へ南へ曲がり、最終的には志布志の西約3マイルのところで西海岸の古江に接続します。

志布志から約3マイル(5km程度)で西海岸の古江』?

西海岸?大隅半島の?

恐らく古江線はAMS地図に載っているので、その事かな?

でも3マイルは明らかに違う。

あと標準軌も間違いだよな。

AMS地図上では狭軌として描かれてるし。

ただ、何処かでこの近辺が狭軌標準軌が入り混じってた記述を見た様な?

で、またそれを控えてなかったと言う…。

 

それにしても

where it turns west and south following the coast from Fukushima to Shibushi

って部分。

英語でも日南線の景色が浮かび…かけるけど、今は草木が茂ってて、海ってあまり見えなくなーい?

 

At Nakazo,the Shibushi line branch of the main Nippo line connects with Miyakonojo,a branch center for the main line.

ナカゾにて、志布志線は日豊本線に接続する都城へと分岐する。

ナカゾ=?

AMSの地図では、“Nakazon”の地名付近。

志布志から出て安楽川を渡る手前で分岐するので、コレも誤記と思われる。

 

謎と言うか間違い(と思われる記述)が多いけど、姉妹資料で志布志港編が有って、そっちにも載ってるので、またその時にでも(解決するとは言ってない)。

 

と言う感じで、アメリカ軍資料に於ける油津港周辺の鉄道事情。

「だから何が判ったの?」と言うと、具体的には何も無い。

ただ、結構な規模の森林鉄道が有ったんだね!って。

で、それが油津駅北郷駅志布志線延長時、基礎的な役割も有ったんじゃないのか?って…疑問に対する疑問返しだな。

あと、当時のアメリカ軍が攻撃するに当たり、真面目に色々と知識を持とうとしてたんだなーって思ったのを、こうして忘備録に残しとくだけ。

 

では、同じ様な事を調べてたら脱線してた(6)志布志港で。