五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

調べてたら脱線してた(1)

日南線榎原駅駅舎は改修されたのか?を調べてた。

結論を先に書くと、有力情報なし。

ただ、調べてて色々と出て来た事を忘備録として残します。

因みに、鉄道とは全く関係無く、ほぼ米軍戦闘詳報の話。

 

 

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発端は『榎原駅(日南線)の駅舎は、いつ建てられた?』

 

日南線はそこそこ乗り鉄してて、かなり思い入れが有る路線。

より深く知りたいと思ってたので、良い機会だと自分でも調べ始めた。

最初は、台風被害?と調べ始める…南郷町で土砂崩れも有ったらしいけど、この線は薄いかな?と。

 

谷之口に新駅建設の要望が戦前から出ていた旨を、よろづのかるみ先生が言われていたので(よね?)、当時の国会議事録、国鉄関連書類書等も探すが、榎原駅の修繕に関する記述は見付けられず(他の駅のは見た)。

 

そこで、同じ日南線大堂津駅を思い出した。

現在は消されたけど、当時のWikipediaには『空襲による銃撃跡』と言う様な記述が有った。

大堂津駅へ行った際、駅舎,枕木に銃撃跡は見当たらなかったけど、現在は取り換えられた木製電柱に、銃撃痕と思しき孔は有ったので、榎原駅も同様に空襲を受け、その修繕で『あの三角屋根』になったのかな?と思い付いた。

※昭和22年の空撮写真では普通に屋根は有るけど、不鮮明なので仮修理屋根の可能性も有るかと考えた(戦後の資材不足~と言う文言も有った)。

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銃撃痕?と思った大堂津駅の木製電柱

ついでに言うと、日南市HP『市のあゆみ』に1952年4月12日 南郷駅改築の記録有り。

その改築振りから「南郷駅は徹底した爆撃を受け、あのコンクリート製駅舎になったのでは?」と言う事も頭に浮かんだ。

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たった17年でコンクリート製駅舎へ改築?な南郷駅

「隣の駅だし『行き掛けの駄賃』と榎原駅も空襲してない?」と、更に空襲説へ傾いて行く。

 

宮崎県の空襲で検索すると…

wararchive.yahoo.co.jp

上記の日南市の内、南郷町の空襲が1945年の7月18,20,30日。

18日には『南郷町谷之口で列車及び南郷駅付近を襲撃』とある。

そのまま線路を進むと、榎原駅になるので「コレで真相に近付けるのでは!?」と。

此処から、【南郷駅 空襲】とかググるが特に情報なし。

 

神戸市中央図書館で、『国鉄の空襲被害記録』(1976年刊 日本国有鉄道施設局監修)を閲覧するが、南郷駅周辺の空襲は記載なし。

その本。

昨年の11月に行って見た、鹿児島駅の件も載ってない。

 国鉄監修でも当てに出来ない?

アメリカ側の記録って無いの?」と、アメリカの公文書館ググるが…よく判らない。

普通に色々ググってると、何故か日本の国立国会図書館所蔵資料に辿り着いた。

 

国立国会図書館デジタルコレクション

マッカーサーの画像【日本占領関係資料】

 →米国戦略爆撃調査団文書

  →艦載機戦闘報告書

   →1940~1949

    →1945

 

で絞って行って、”Aircraft Acthion Reporrtとタイトルが付いてるのを見て行けば、「あー、コレか!」と言うのが見られる筈。

因みに、ブログ貼り付け等の二次利用は、ガイドラインを守れば可能な資料も有る…と言うか、此処に貼ってるのは可能分。

で、国立国会図書館デジタルコレクションの中で1945年7月で抽出した結果:487件を、一通り確認して行く。

一通り確認と言っても、攻撃目標が明記されているので、九州以外の地域はスルー…の心算が、やはり身近だったり行った場所だと気になり、細かく見てしまい先に進めない。

 

英語が解らないなりに報告書を見て行くと、空母の作戦行動報告書と、飛行隊単位で出撃毎の報告書が有った。

【ACTION REPORT】が空母で、当り前だけど艦名、期間、行動した海域と空母の位置図。

作戦行動の時間、目標、戦果、損失、燃料/弾薬の使用量…等が日誌的に書かれているのと、各項目の一覧。

特攻機による被害状況写真も入ってた。

コレが期間にもよるのだろうけど、大体80~100ページ位。

で、出撃毎の方が【AIRCRAFT ACTION REPORT】と言う表題。

 7月18日では、目ぼしいのが見当たらず。

7月30日の日付で、鉄道に関係する怪しい報告書を見て行く。

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国立国会図書館デジタルコレクションより

 https://dl.ndl.go.jp/titleThumb/info:ndljp/pid/4014501

 

先ず、Ⅰ.GENERAL は概略かな?

戦隊名、所属(空母or陸上基地)、離陸した日時と地点(陸上基地からでも記入)

作戦名…例えば『Escort photo planes to kyusyu.JAPAN』だと、恐らく写真偵察の護衛。

『Fighter sweep over Southern KYUSHU』だと、九州南部の制空権確保…何だ?

航空優勢の獲得?正式にはどう言うんだ?

兎に角、日本本土へ飛んで行って迎撃機が上がって来たら、それを墜とす任務。

 

Ⅱ.OWN AIRCRAFT OFFICIALLY COVERED BY THIS REPORT. 

この報告書部隊の所属機。

今見てるのが、形式:F4U-1D、所属:VMF-224、機数:16、敵機と交戦:なし、攻撃参加:8、爆装/雷装なし、ヒューズ設定…これは多分、爆弾の遅延信管かな?別の報告書では、型番とか『A1.01 delay』。あと、魚雷の設定深度と思われる数値(フィート数)等が載ってた。

 

機種はF4Uでも書き分けられてて、F4U-4とか、FG-1,F3Aって表記も出て来る。

コルセアの一括りにせず、製造元で分かれる別名称で記入されてた。

 

Ⅲ.OTHER U.S. OR ALLIED AIRCRAFT EMPLOYED IN THIS OPERATION.

この報告書作戦行動へ参加した味方飛行機で、機種、所属、機数、基地又は空母。

このVMF-224と合同で書かれている、311,441飛行隊の報告書にも、逆に224飛行隊が記入されている…が、他に合同作戦の有った報告書では、3部隊の内2部隊の報告書が抽出されても、1部隊だけ出て来なかった事が有る。

恐らく紛失だと思う…実は『未だ公開出来ない内容』って事は無いよな。

で、残りのVMF-311,-441の、国立国会図書館デジタルコレクション、リンク先が下の二つ。
dl.ndl.go.jp

dl.ndl.go.jp

dl.ndl.go.jp

 

参加①VMF-224(F4U-1D×16) 

  ②VMF-311(F4U-1C×16) 

  ③VMF-441(F4U-1C×7,F4U-1D×3,FG-1D×2 計12)

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今回の主役? アメリカ海軍 F4U コルセア(報告書は海兵隊だけど)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:F4U-1s_1944_NAN7-8-84.jpg 

USN / Public domain

 

VMF-224の報告書ではVMF-441は16機と記入(実際は12機)…「何処を見とんの?」って話。

VMF-441の報告書のみ、PBM飛行艇×2機を『EMPLOYED』欄へ記入。

任務欄もVMF-441のみ『援護』なので、正しいのかな?

でも、①②制空、③撮影機+救難機の援護任務も、最初からか?が不明。

 

Ⅳ.ENEMY AIRCRAFT OBSERVED OR ENGAGED(By Own Aircraft Listed in Ⅱ Only).

会敵/交戦した敵機だけど、上記Ⅱ.に記入した自分の飛行隊限定って意味かな?

右端(g)CAMOUFLAGE AND MARKINGの項目に、『All plannes,the customary brownish with green mottled pattern.』(茶と緑の斑迷彩?)とか、茶色一色って報告も有ったと思う(あまり真面目に見てなかった)。

敵機種はコード名記入(零戦=ZEKEとか疾風=FRANK)なので、米軍機のコード一覧のページを開いといた(暗記してない)。

確か、100式司令部偵察機も出て来て、「ホントかよー?」と思ったけど、防空型も同じコードみたいなので、そっちだろうな。

 

Ⅴ.ENEMY Aircraft DESTROYED OR DAMAGED IN AIR(By Own Aircraft Listed in Ⅱ Only).

交戦して被害を与えた敵機でしょう。

( )内はⅣ.と同じ。

ここを徹底しないと撃墜機の重複が出て来て、戦果の過大報告が発生し易くなるよな。

何に乗ってて、誰が撃ったか?と、(c)の『WHERE HIT,ANGLE』には、7時や6時と角度。

大体、当り前だけど6時,7時が多く、角度は30°以内が多かったかな?(印象←これも当り前かも?)

 

2枚目 

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国立国会図書館デジタルコレクションより

 https://dl.ndl.go.jp/titleThumb/info:ndljp/pid/4014501

Ⅵ.LOSS OR DAMAGE,COMBAT OR OPERETIONAL,OF OWN AIRCRAFT(of those listed Ⅱ only).

自分達の機体損失から(機体に関してと、搭乗員で記入欄は別々)。

例で使っているのは、エンジン不調より上か。

次の欄に『Forcd water landing』と有るので不時着水?してるし(後で『墜落』って書き方になってた)。

 

Ⅶ.PERSONNEL CASUALTIES(in aircraft listed in Only; identify with planes listed in Ⅵ by Nos.at left).

Ⅵに挙げた機体搭乗員の損害。

搭乗員欄には、Missing In Action=作戦行動中行方不明や、Killed In Action=戦死の文字が結構出て来てた(この報告書では、Missingのみ)。

他の報告書で、『Missing In Action』の記入後、手書き等で「潜水艦にて救助」「PBYにて救助」と書き加えられてたのも有った。

日本を空襲したパイロットなんだけど、その”Rescued”の文字列を見た時、何故かホッとした…不思議な感情だと思う。

 

Ⅷ.RAND,FUEL, AND AMMUNITION DATA FOR PLANES RETURNING

往路距離、復路距離、滞空時間、入れて行った燃料量、消費燃料量、使用弾数,ロケット弾。

使用弾数も、口径毎の記入欄が有る。

.30,.50,20mmに、ロケット弾や爆弾,魚雷。

で、F4Uで出たのに20mmの欄に数字が入ってて、「記入ミス?」と思ったら…「そうだ、有りましたね!」と思い出した。

だから、機種もF4Uだけじゃなくて、その後ろも記入してたのか!と。

子供の頃、コルセアの20mm搭載型と普通の(?)12.7mm×6+ロケット弾搭載可。

「どっちが有用か?」で、議論程じゃないけど話した事を思い出した。

当時、子供向けに『ゼロ戦のすべて』的な本に、「20mm機銃は弾頭に徹甲、焼夷、炸裂を使えて云々~」→「だからゼロ戦はスゴイのだ!」とか書かれてて、それしか知らない子供(僕)は、「コルセアも20mmの方良くね?」とか思ったりした。

後年、12.7mmにも色んな弾頭が有った事を知るのですが…。

 

Ⅸ.ENEMY ANTI-AIRCRAFT ENCOUNTERED(Check one block each line).

撃たれた対空砲火についての記入欄。

遅延信管砲弾で口径75mm以上、着発信管の口径20~50mm、6.5~13.2mm機銃の項目に分け、夫々『なし』『しょぼい』『そこそこ』『きっつー』でチェックを入れる?

ココを読むと、意外と対空砲火が有った事に驚く。

 

Ⅹ.COMPARATIVE PERFORMANCE, OWN AND ENEMY AIRCRAFT(use check list at left).

味方機と敵機で気付いた事を書いてね!って事か。

確か「割と早く撃って来た」とかも見たと思う。

現場で気付いた声を拾って、全体へ周知しようって意図かな? 

丁度良い例が有った。

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 国立国会図書館デジタルコレクションより

 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4005711

 

書き出すと

The F6F-5 was able to turn inside of the Frank,Oscar and Tojo.

Rate of climb was inferior but in level fight was equal to or greater than that of any of the three enemy types when using water injection.
The agreement of the Franks definitely included to 20mm.
Franks burned early.
 
F6F-5を使用した部隊。
この日の報告書には、四式戦”疾風”×12,一式戦”隼”×1,二式単戦”鍾馗”×2と交戦したと記載されてる。
 
翻訳アプリに頼ると
 
F6F-5は、それら3種類の”疾風”,”隼”,”鍾馗”よりも旋回性が上回ったが、上昇率では負けてる。
但し、(F6F-5から装備された)ウォーター・インジェクションを使用すると、水平面戦闘からの上昇率を上まわれる…かな?
 
『ウォーター・インジェクション』
最初は、水・メタノール噴射か?と思ったら、普通に水だけ?
そんなのも知らなかったのよ(日本がやってるんだから、アメリカもやってて当然とは思ってたけど、水だけなのが逆に「へー!」と言う感じ)。
※他のHPでは、水・エタノールと書かれてたのも有った。

 で、20mm機銃搭載で間違いなし?早よ燃える?…防弾とかちゃんとしてなかったっけ?(英語よく解りません)。

 

で、報告書の3枚目へ。

 

この辺で分けて、調べてたら脱線してた(2)へ続く。