五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

1989 鈴鹿決戦  その④


メインストレートでのメンチの切り合い…の続きから。

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ストレートエンド、1コーナー進入。
ブレーキングで前に出るシュワンツ。
前に出られた瞬間、いつものライン取りから一瞬立て直し減速。更にイン側へ切り込むレイニー。
この1コーナーでの順位の入れ替わりを整理すると、レイニー→シュワンツ→レイニー。
つないで書くと、単に順位が入れ替わっただけ…だけどこの1コーナーの…イヤ、スプーンを立ち上がって以降の2人の走りは、2輪ロードレースの醍醐味が凝縮された半周じゃないか?と思ってます。
ホントは動画をうpしてココに貼り付けるべきなんですが(著作権的には拙いぞ!)、GIFで我慢してもらいましょう。
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コッチは後でもう一度繰り返された1コーナーの攻防で、若干シュワンツの突っ込み過ぎっぽいトコも有るんだけど、それでもこう言うシーンが繰り返され…1コーナーだけじゃなく、スプーン2個目の進入→立ち上がりでもラインがクロスして順位が入れ替わると言う光景が見られ…みし奈さんの声が裏返るのも解る。

鈴鹿サーキットのの一部を書くと、シケイン→最終コーナー→ストレート→1コーナー→S字→逆バンク→ダンロップ・ブリッジと続きまして、この2人のバトルがピークに入って来るこの周回辺りから
130Rを2人が立ち上がって来る。
シケイン130R側に座っている観客が思わず立ち上がる。
③立ち上がられたせいで見えない最終コーナー側の観客が立ち上がる。
④ストレートの最終コーナー側観客も思わず立ち上がる。
⑤見えなくなるのでメインスタンドの観客も立ち上がる。
⑥1コーナーの…残念ながら当時の鈴鹿は、1コーナー突き当たりの観客席がなかったのでココは途切れる。
⑦1コーナーの観客が思わず立ち上がる。
⑧以降、手前が立ち上がるので次々と立ち上がって行く。
と、要するに2人が走ってるトコの観客が立ち上がるので、自然なウェーブが発生してたのがハッキリと解った(S字辺りも結構人が入ってたのよ)

この自然発生ウェーブを見てしまった時、笑えるのと同時に、何と言うか「これだけの人が『このバトル』を少しでも近くで見たい!」と言ってるのが解ると言うか…妙な一体感みたいなの感じて…だから、同じウェーブでもアメリカ人がやりたがる作為的なウェーブ。それも試合そっちのけでするウェーブを見ると

「お前ら、やらせ臭いウェーブ嬉しいか? 試合も見ずになにしてやがる!」

と吐き気すら覚える…ってのは書き過ぎだろうな…でも、本当のウェーブと言うか…あ゙ー、この時鈴鹿のストレート辺りで僕と同じ様にコレを観た人なら解ってくれるハズ。
まぁ、ある意味「最初にこんな体験するんじゃなかった」とも言える様な気もするが…?

話を戻して…ココから…じゃなくて、もうバトルはギリギリっぽいトコに入ってて、レイニーは序盤から飛ばした分タイヤにキテたし、シュワンツも追い上げて来てた分タイヤにキテたハズ…って事で、ダンロップの立ち上がりではリアがズルズル…
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コレも解り難い…ダンロップの立ち上がりで、レイニーは見事にカウンターが入ってて、シュワンツは前後輪が滑り気味と言うか、ドリフト状態っぽい。
レイニーは、その③で書いたスプーン立ち上がりでもカウンターが入ってたし、こう言う形で殆どのコーナーでタイヤは滑る、カウンターは当てるの繰り返し(ホントはカウンターは良くない…らしい)
後日、このレースの事を島田伸介(当時2輪レースに傾倒してた←8耐のチームを持ってた)がゲスト:藤原儀彦に「モーターボートが水面を『グワァワワッ!』と走ってる様な」と言ってたけど(あぁ『club伸介』って面白い番組だったな…)正にそんな感じ。2輪の…それもGP500クラスのバトルには思えなかった。

そんなバトルの中周回遅れが!
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得てして周回遅れがトップ争いに影響を与える…のは殆ど4輪の世界での話で、コース幅に対し車幅が圧倒的に小さい2輪では周回遅れがレース展開に影響を与える事は無い(多分…と言うか、そう言うシーン有ったかな?)
事実この時も…しかし、ココで特筆すべきと言うか、この周回遅れのRS500は元HRCワークスの木下恵司選手で…'87迄はHRCNSRに乗ってた人間がクビになり、プライベートでの参戦…まぁ、仕方ないと言えば仕方ないとも言える成績の低迷も有り…スペンサーを追い掛けて転倒→全日本500クラスのタイトルを取れず、その年のチャンピオンは平忠彦(初の500ccタイトル)
そのまま平は500cc3連覇…対する木下はHRCへ移籍するも、ヤマハ時代の元気さは何処へやら…荘利光にはTVで「(言ってる事の)焦点が定まっていない感じ」(欝状態と言う事か?)と迄言われてたな…好きだったんだけどな…あの『前輪にしがみついてる』様なフォーム…。

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2人のバトルが繰り広げられる中、一度コースアウトした後3位に迄登って来たガードナーが再びコースアウト(場所はダンロップ
これまた派手なハイサイド(↓の2枚)で、よく転ばなかった…
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が、「完全に2人にスピード負けしてるな…」と言う感じで、正直1987年のタイトルは「'87YZRがローソン向けじゃなかっただけ」とか思ってて、その分ガードナーはそんなに評価してなかったので…「やはりな…」と言う感じがした。
イヤ、好きなんですよガードナー。1985年のNS500で激走!ってのは明らかにNSのポテンシャルを突き抜けてたと思うし…でも1984年のローソンのタイトルが「スペンサーが不調だったお陰」とか言われるんだから、「1987年はローソンが不調だっただけ」と言う意見も出るべきだと…まぁ、親ローソン派と言うか、GPで一番好きだったのはローソンだったので贔屓目にしか思えんな…。
でも、1989年以降の勝ち星としてガードナーは4勝…確かに怪我のせいとも言えるけど、怪我をする羽目になるレースをしないと勝てない状況だったワケで…だから、これも有名な話で「レース前『トップガン』を観て、B.スプリングスティーンを聴き、気持ちを攻撃的にする」事で、レースに挑んでて…テクニックよりも精神的なモノで戦ってた選手だと思うんですよ(多分)だからローソンは「ハートで走るのは好きじゃない」みたいな言葉で、ガードナーの事を揶揄してた様な記憶が…。

っつーか、殆どバトルの事を書いてねーじゃん!…イヤ、だけど、殆ど書き終わってるか…ま、取敢えずその⑤に続けます(いつ終わるんだ?)