五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

ドリームガール

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著者:ロバート・B・パーカー
翻訳:加賀山卓郎
ハードカバー:305ページ
出版社:早川書房 (2007/12/7)
言語:日本語
ISBN-10:415208877X
ISBN-13:978-4152088772
発売日:2007/12/7

前作のスクール・デイズもそうだったけど、表紙カバーの雰囲気が変わったと言うか、拳銃が出て来るのはいつものパターンとして今回女性の背中が…どーも今迄のイメージと違う…(その部分は今迄イラストで描かれてたよな?)
スクール・デイズは写真部分のサイズを抑えて、白い部分がそれなりに有ったので旧来のイメージからかけ離れては居なかったけど、今回は写真部分の暗さだ目立ち…まぁ、その暗さが『アレな部分』を暗示してたとか?
しかし…どーでも良い様な事かも知れないけど、カバー一つで作品のイメージが変わるので、従来のイメージを変える必要が有ったのか疑問…イヤ、翻訳の菊池光さんが亡くなったし、カバーイラストの人にも何か有ってもおかしくない?

今回はエイプリル・カイルの再登場と言う事で…段々ループ化が定番化しつつ有るのか?…まぁ、ポールとエイプリルは夫々『スペンサーの心の息子・娘』なんだけど…←しかし!(それは後述…つーか気が重いな…)

↑の『前作のスクール・デイズ』のネタの時にも書いたけど、『スペンサーと言えば(昔は)野球ファン』と言う事で…どーも最近は野球描写が減ってしまい、もう野球が嫌いになったんじゃないかと心配してるんだけど…と言う事で、今回も小説の中での野球描写を探してみた。

先ず登場人物の名前…

ライオネル・ファーンズワース

まぁ、こじつけっぽいけど…一応は野球選手に居る名前で…でも、名前はねぇ幾らでも有り得るんだけど、このファーンズワースと言う登場人物はは詐欺師なので、『才能を使い切れず無駄にしてるメジャーリーガー』のランキング上位にも選ばれたファーンズワースはある意味詐欺s(以下自粛)

では人名以外の部分で野球に関する記述を…(あ、他にもヴァーノンと言う登場人物も居たけどね)

P.73

二月の初旬。フットボールはほとんど終わった。野球はまだ始まっていない。
先ずは小手調べと言う感じで。
コレを読んだ時点では「この巻の野球ネタはコレぐらいで終わりかな?」と思ってました…←だって書いてある通り、野球のシーズンじゃないし。



P.77

(ブローニングの九ミリ口径を準備した後)
それからレッド・ソックスの二〇〇四年ワールドシリーズ優勝の公式記念帽子をかぶり~
P.247にも同じ様な描写が有って…この作品、向こうでは2006年の10月頃に出たらしい…でも作中としては2005年とかになるのかな?…「何だよ!世界一かよ!」…(つД`)←2004年のワールドシリーズからBOSと決別
ま、そんなトラウマな話は置いといて…この『ブローニング九ミリ口径』、多分ブローニング・ハイパワーと思う…そんでもって、さてどの話だったか忘れたが、ポン引きだかチンピラから取り上げたヤツじゃなかったっけ?←間違いないと思うけど、全部読み返すのもなぁ…。
で、その取り上げたHP(ハイパワー)、今でも気に入って使ってる(今迄何度もこの『九ミリ拳銃』は出て来てる。ついでにリボルバーはS&Wの…多分M10系でチーフではないハズ(あれ?チーフスペシャルを使ってる事も有った様な気がして来た)。
あとパイソンも持ってた様な?←357と言う表記の時はコレ?



P.109

「オリイはメジャー・リーガーじゃない」 byフランク・ベルソン
懐かしの表現キタ━━━━━(゚ ∀゚ )━━━━━!!!!!

『ヤツはメジャーリーグ級の悪党なんだ』
『ヤツは大物なのか?』『イヤ、マイナーリーグ級だ』

昔はこう言う表現が多かったのよマジで!…と言う事で、今回再登場(ホントは再々登場)する7エイプリル・カイルが初登場した『儀式』を読み返すと、P.7から話が始まってイキナリP.15には『親父がメジャー・リーグ級の馬鹿野郎』と言う表現が出て来る(その時は『メイジャー・リーグ』と言う表記で、菊池光風な匂いを感じる←あとジョーンズじゃなくジョウンズとか?)
何か、懐かしさで目頭が熱くなると言うか…最近野球ネタが減って来てただけに、このフレーズだけでお腹いっぱい!な感じでした。
コレでスペンサーが張り込み中のヒマ潰しに『自分が見た選手から選ぶベストナイン』とか一人でブツブツやってたら、かなり嬉しいんだけども…でも、ある意味キモイと言われても仕方ない?



P.188

フロリダは春季キャンプたけなわだ。

ボストンにも春の兆しが見え始め、それを感じたスペンサーが『春が来ようとしている=春季キャンプだろ♪』と言う連想ゲーム風に思った事で、かなり以前のスペンサーな感じがする…やはりエイプリル・カイルと言う昔のキャラが再登場した事と関係するのかな?



P.189 スペンサー(以下:ス)とベルソン(以下:べ)の会話

ス:「あんたがいいと思うものは何かあるのか?」
べ:「おれの女房」
ス:「ほかには?」
べ:「たぶん、ジェイソン・ヴァリテックも」
ス:「たぶんそれで充分だ」

たまらん!実に良い会話だ!(と思う)
野球ネタ全開で…尚且つベルソンは嫁さんに惚れている(彼と彼の奥さんに関する事件も有った)
あと人選と言うか、ヴァリテックを選ぶベルソンと、ヴァリテックを選んだベルソンを肯定するスペンサー…BOSファンじゃのう…イヤ、BOSファンを辞めた人間が言うのも何だけどと言うか、言う資格も無い気がするけど、ヴァリテックは…まぁ、捕手としてトップかと言うとゴニョごnyだけど、BOSの…うーん、ハート&ソウル?←意味不明か?(ヴァリテックを選ぶ人間とは仲良くなれる気がする←但し、ヴァリテックを選ぶ人間が俺を嫌う可能性は高い)



P.281 「ビーンタウンから出てきた田舎者にしては横柄な口を利くな」に対し

ワールドシリーズに勝ってからだ」
ビーンタウンってのはボストンの事で、『ワールドシリーズに勝ってから態度がデカクなったんだよ』と言うネタですね。
ま、世界一になって良かったですね…(つД`)←また2004年を思い出してしまった…



と言う事で、今回の野球ネタはこんな感じ?(他に気付かないでスルーしてしまったかも知れん)
かなり野球ネタが多く、ベルソンとの会話はかなり昔の雰囲気で…やっぱりスペンサーは野球好きでいて欲しいので安心した…で、本論と言うか、実際の感想。

こう言う結末しか無かったんだろうか?
『儀式』『海馬を馴らす』で二度スペンサーに助けられて、それでお仕舞い!(パトリシア・アトリイの様な感じになって行く)で行けなかったんだろうか?
このシリーズが好きになって読んでく内に、完璧と言うのは無理でもより良いモノを求めると言うか…『最低ランクの売春婦になるよりかは高級娼婦を目指す』と言う、救われてるのか救われてないのか、でも苦渋の中でより良い(マシな)方を選ぶと言うスペンサーの考え方に、当時はかなり驚いたと言うか新鮮さを覚えた記憶が…。

このところ、ハッキリと書けば…書棚に並んだスペンサーシリーズを眺めてて、最近の作品はストーリーを思い出せないと言うか印象に残っていない作品が多く…まぁ、コレは最近自分の本の読み方が雑になってるのも有るけど、スペンサーシリーズそのものの求心力みたいなのが低下してる様な気もしてた。
今回のコレ…多分、忘れる事は無いと思う。それだけ印象に残ったと言うか、ある意味トラウマ的な…以前、スペンサーのトラウマになった『雨の中での「とんだボディーガードだな」』の時みたいに、スペンサーにも大きな傷を残してしまったんじゃないか?と心配になった(多分、エイプリルの最期の言葉と映像は、この先の作品でも出て来るんじゃないかと…)