五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

love,speed & loss

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出演:ジャコモ・アゴスチーニ,フィル・リード,キム・ニューコム,ジャニーン・ニューコム
形式:Color, Dolby, DTS Stereo, Mono, Subtitled, Widescreen
リージョンコード:リージョン2
画面サイズ: 1.37:1
ディスク枚数:1
販売元:ウィック・ビジュアル・ビューロウ
DVD発売日:2007/09/27
時間:77 分
 
WGPの500クラスに、ケーニッヒ製2stの水平対抗4気筒マシンなるものが存在してた事も、ニューコムと言うライダーが死亡したにも係わらず、年間ランキング2位を獲得してたとか知らなかった…ま、そもそも70年代のWGPなんて、片山敬済の250&350ccの断片的な話とか、サーリネンの奥さんは元スカンジナビア航空のスッチーとか、そんな程度の事しか知らんしな…つか、考えたら、泉優二のケイ杉本の話で、出だしのウィンディーはこの時代だったか?程度。
 
で、その断片的な話の中でですら聞き及んでいた、レースオーガナイザーの横暴と言うか、あまりに稚拙なレース運営。
サーリネンの話も読んではいたけれど、レースを強行させた上での死亡事故とか、当時のレース協議長のクーパーだっけ?コイツなんて『殺人犯』扱いされてもおかしく無いと言うか、少なくとも未必の故意とかには相当するだろうに。
ニューコムの死亡にしても、クローズドの安全であるべきシルバーストーンインターレース
ストウのギャップの危険性と、エスケープゾーンと言う概念は無くても、希望通りにコンクリート壁前にストローバリーが設置されていたら…。
 
途中、K.バリントンのインタビューで、当時のアルバムを見ながら数えたら「キャリア10年間で35人の仲間が死んだ事に気付いた…」だって。
何て危険な…って、本人達は判ってる事なんだろう。
そう言えば、もう一つバリントンが言ってて、ニューコムの葬儀はトラウマになって、レース仲間の死亡で『最初で最後の涙を流した』そうだ。
ニューコムの死亡から、バリントンは覚悟を決めてレースに臨む様になったとか…でも、残された家族はどーなるんだよ?って事で、ある意味このDVDと言うか、この作品ってニュージーランドで作られたドキュメンタリーなのかな?兎も角、この作品ではレーサーであるニューコムと、無敵状態だったMVアグスタに立ち向かったケーニッヒ500ccマシンの話ではなく、残された奥さん:ジャニーンの…陳腐な言葉にはなるけれど、魂の再生とかそう言う話になると思う。
 
最後、スパで行われたイベントで、当時のライバルでもあったフィル・リード達と再会するジョリーン。
数回の再婚に失敗した。
結局ニューコムの死を認めると言うか、もう一度、あの頃のマシン達も走るイベントに出向き、そこで息子がケーニッヒのマシンを親父のツナギを来て走る…コレで受け入れる事が出来た…向き合える様になったと言うべきか?
それが2004年の話だから、彼の死から31年が過ぎたワケだ。
でも、それも彼女が癌に侵され、自らの死とも向かい合えたからかも知れないワケで…ま、自分にはよく判んない。
 
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こう言う光景、今でも見られるんだろうけども、本当の意味でGPがコンチネンタルサーカスと呼ばれていた頃、この光景だけじゃなく、こう言う話も自分が知らないだけで、沢山有ったんだろうな…とも思う。
何だか、やはり泉優二の『チャンピオンライダー』を読み直さなければならない気がして来た…この写真なんて、ゴードンが写した、ケイ達とアントニオーニ家の写真の説明が頭に浮び、それだけで涙ぐんでしまうんだが…。
 
 
てな感じで見終わって、やはり自分がレースの好き度において、二輪>四輪なのは…確かに死亡事故とか、死亡に至らなくてもレイニーだとか青木次男とか、車椅子状態へのリスクは有れど、その恐怖に立ち向かう姿が二輪の方がより鮮明だからこそなんだ…って事を再認識した様な。
作品中のインタビューで、ジャーナリストが言ってた様に『情熱と興奮と愛情が有るからこそ、走り続けるリスクを厭わない。当然死に至るかも知れないし、いざと言う時は全てを失う覚悟が出来ている』と言う、家族に取れば堪ったモンじゃないけど、そう言う姿に冒険的なヒロイズムを感じてるんだと思う。
 
と言う事で、作品としてはココ迄。
以降は覚書みたいな話。
当時の映像の中で、バリー・シーンがニューコムのマシンに跨り、談笑するシーンも有った。
バリー・シーン…大好きなライダーと言うか、大好きな人だった。
彼も大事故に遭って、それを乗越えてレースを続け…無事引退したけれども、肺ガンで亡くちゃったな…日本GPで会った時も、とても楽しそうでレースを愛してる感が伝わって来てた。
 
当時のBBCレース実況をしてたクリス・カーターって人。
この人の声には聞き覚えが有ると言うか、'85のGPのビデオとかで「エディローソン、オンザヤマハー」とか言ってた、ジョン・エース・ブラウンって人に声が似てるんだけど別人なのか?
ペンネームじゃないけど、名前を伏せて出演してたとかじゃないのかな?
 
出演:の欄に、ジャコモ・アゴスチーニと最初に名前が出てるけど、出演して無いじゃん!て言うか、フィル・リードは実際に出て来るけど、アゴは当時の映像のみ。
アゴは健在だよな?出来れば彼の話も聞きたかったんだけど…。
 
あと、金谷秀男が何気に表彰台のってるのも忘れてたと言うか…サーリネンの事故も有って、参戦中止になったんだっけ?全然覚えてないや…。
 
 
っつー事で、G+の“you love speed?”ってフレーズ、MotoGP以外でもレース絡みに使ってるけど、何となく秀逸なフレーズだなっと。