五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

五月の雨はレンヌの野にとめどなく降る

見た番組の感想が多くなるはず。

パ・リーグを生きた男 悲運の闘将・西本幸雄 【単行本】

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単行本:197ページ
出版社:ぴあ
ISBN-10:4835615069
ISBN-13:978-4835615066
発売日:2005/03
 
プロ野球選手に道徳の授業が有るなら、その教科書に使って欲しい内容に溢れてる。
初っ端から、『野球をする事でご飯が食べられる喜びについて、もう一度考えるべきやろうね』。
確かに時代が違うけど、敗戦後の食うや食わずの状況から、野球で食べる事の出来た西本さん世代の野球人にとって、現代の野球選手なんて守銭奴にしか見えないかも?(俺の場合メジャーリーガー=守銭奴と思うが、NPB!の事は知らない)
 
あと、お客さんに見て貰うプロ野球として、単に勝つだけじゃなく『勝つ迄の努力、勝とうとする気持ちがプレイから見えた時、初めて見る者の心が動く。思いは伝播する。記憶に残る。そしていつ迄も語り継がれる事になる。野球ファンは勝利だけを求めているわけでは無い』ての、実に我が意を得たり!と言うか、正に自分が野球を見てた頃(過去形)、勝ち試合でも不満に思う事、負けても満足だった事が多々有った。
その満足/不満足の判定ラインが、その『気持ち』『姿勢』だった(だからクールな奴って、あまり好きじゃない←クレメンスみたいな真逆過ぎるのも嫌いだったけど)。
 
それから、『あれだけの練習をさせるか?』の回答で、世の中の日の当たらないところでもコツコツと努力している人達に、努力していればいつか日が当たる事を証明したいから…ての…ディマジオ(だったっけ?)の言ってた
、何故毎試合全力プレーするか?の問いに、『今日自分を見るのが最初で最後の人も居るから、最高のプレイを見せなアカン』的な事言ってなかったっけ?
若干…どころか結構ニュアンスが違うんだけど、根底の部分で西本っさん(にしもっさん)とディマジオが言ってる事似てる気がするし、本のタイトルにも書かれてる『悲運の闘将』って言葉。
日本シリーズに8回挑み、一度も日本一を掴めなかった事に対する一般的な評価だけど、ご本人曰く『俺は悲運でもなんでもない。幸運だったと思うよ~』のくだりが…同一レベルで見るのもアレだけど、ゲーリッグの『自分は世界一幸せな男』発言に似てね?って、こじつけと笑われるだろうけど、やはり西本さんて日本プロ野球が誇る『野球人』だと思う。
 
 
兎に角、買って、読んで良かった。
自分が知る西本さんは近鉄の監督であって、阪急時代を知らない。
あの常勝阪急ブレーブスを作った過程が多少なりとも、こうやって知る事が出来て…悔やむのは、もっと早く読んでおけば良かったなって事ぐらい。